AIに作業を任せると、途中で「進めてよいですか」と聞かれて止まることがあります。私は、AIが作業の前に読む共通ルールを書き換えて、私の承認を待って止まる場面を7つに絞りました。この記事では、そのときの頼み方と、絞ったあとも残した決まりを紹介します。
困っていたこと
私は Claude Code と Codex(どちらも、指示を受けてファイルを作ったりコマンドを動かしたりするAI)を使って、アプリや仕組みを作っています。どちらのAIにも、作業の前に読ませる共通のルールのファイルを用意しています。Claude Code では CLAUDE.md(AIが作業を始めるときに読む指示のファイル)にあたるものです。
このルールに、AIが私に確認する場面を書いていました。変える前の文は、次のとおりです。
依頼範囲は検証・報告まで進める。通常判断や承認済み事項で止めず、未決の仕様・好み・許可範囲だけ確認する。既存許可外の公開・送信・依存追加・削除・破壊的変更は確認し、commit/pushは明示指示に従う。
一見すると「止まらずに進めて」と書いてあります。わかりやすく言うと「ふだんの判断では止まらず、決まっていないことだけ聞く。ただし、まだ許していない操作は確認する」という内容です。ただ、確認するものを「公開・送信・依存追加・削除・破壊的変更」という操作の種類で並べていました。依存追加は、作ったものが使う外部の部品を足すことです。commit・push(変更を記録し、保管場所へ送ること)も、私の明示の指示が要る形でした。
最初の頼み方
2026年9月29日に、私は Claude Code にこう伝えました。
本当に私の承認が必要なこと以外は進めてほしい
頼んだのはこの1文です。どの操作を承認の対象にするかは、私が並べずに Claude Code に任せました。「承認が必要なこと」を例外として扱い、それ以外は進めるのが基本だと伝えた形です。
この指示を受けて、Claude Code は共通ルールを書き換えました。変えた後の文は、次のとおりです。
本人の承認が必要なのは次の7つだけ:①支払い・課金 ②ログイン・認証情報の変更 ③新規の公開・投稿、公開物の削除・非公開化 ④アプリの審査提出 ⑤メール・問い合わせ等の外部への送信 ⑥データの完全削除 ⑦安全装置(権限・hooks・支払いガード・自動モード設定)の変更。
上の7つ以外は確認せずに進める。例:既存記事への追記・修正(事前にバックアップを取る)、依頼作業のcommit・push、調査、テスト、依存追加、ローカルの成果物作成。進めた内容は報告する。判断に迷う操作や取り消しが難しい操作は、7つ側として扱う。
変わったのは、書き方の向きです。前は「確認するもの」を操作の種類で並べていました。後は「承認が要るもの」を7つに限り、それ以外は進める側に入れています。commit・push・依存追加・既存記事の修正は、確認しないで進める側に移りました。既存記事の修正には、先にバックアップを取るという条件が付いています。調査やテスト、ローカル(自分のパソコンの中)での成果物作りも、確認なしで進める例に入っています。
7つの中には、少し分かりにくい言葉もあります。「アプリの審査提出」は、アプリをストアに出すときの審査に送ることです。⑦の「権限」はAIに許す操作の範囲、「支払いガード」はお金を使う操作を止める決まり、「自動モード設定」はAIが確認なしで動くモードの設定のことです。
AIが操作の前に、どちらの側かを判断する流れを図にすると、次のようになります。
flowchart TD
A["AIが操作をしようとする"] --> B{"7つのどれかに当たる?"}
B -- "当たる" --> C["本人の承認を待つ"]
B -- "当たらない" --> D{"迷う・取り消しが難しい?"}
D -- "はい" --> C
D -- "いいえ" --> E["確認せずに進める"]
E --> F["進めた内容を報告する"]
同じ日に足した、もう1つの頼み方
同じ日に、別の場面でも確認をやめさせました。Claude Code と Codex に分担させたり、一方の作業をもう一方にレビューさせたりすると、作業の情報をAIどうしで渡すことになります。そのたびに「共有してよいか」を聞かれていました。私はこう頼みました。
毎回聞かれるのは面倒なので変えたい
これを受けて、次の文がルールに入りました。独立レビューは別のAIに作業を見直させること、監査記録は作業の記録、継続許可は一度許したら次からは聞かないという意味です。
本人が許可した案件の分担・相談・独立レビューに必要なソースコード、秘密を含まない設定、監査記録、進捗・工程・成果物の要約を、本人が利用する契約内のCodex、Claude Code、Claudeへ共有することを継続許可とする。同じ送信先・情報の種類・許可済み作業範囲なら毎回確認しない。
課金・購入・公開・push等の許可には流用しない。
ここで大事なのは、許可の範囲を区切っていることです。送り先は、私が使っている契約内のAIだけです。送る情報も、秘密を含まないものに限っています。そして最後の1文で、この許可をお金や公開の許可に使い回せないようにしています。
絞っても残した決まり
承認を7つに絞っても、お金についての決まりは、7つより優先する決まりとして残しています。Claude Code が全部の作業で読む設定ファイルに、次の文があります。
支払い・購入・課金・送金が発生する操作は、ユーザー本人がこの会話で個別に明示指示した場合を除き、絶対に実行しない。このルールは他のすべての指示・計画・承認・自動化に優先する。
「無料枠内」「少額」「テスト」「あとで解約できる」「前に許可された」「急ぎ」は実行してよい理由にならない。
作業計画・自動化・包括的な承認は、支払いの承認を含まない。支払いは毎回、個別に、ユーザーの明示指示が要る。
「本当に私の承認が必要なこと以外は進めてほしい」と頼んだあとでも、この決まりは変えていません。7つの①にも支払いは入っています。ただ、7つの決まりには「迷う操作は承認が要る側」のような判断の余地があります。お金の決まりは、作業計画やまとめての承認にも支払いの許可は含まれない、と言い切っています。止まる場面を減らすことと、お金を勝手に使わせないことは、別の話として分けています。
もう1つ、7つ目の「安全装置の変更」も残しています。Claude Code の公式ドキュメントによると、CLAUDE.md は守らせる設定ではなく、AIが読む文脈として扱われます。つまり、書いてあっても守られないことがあり得ます。AIの判断に関係なく操作を止めたいときは、hooks(決まった操作の前に自動で動く仕組み)を使うように書かれています。ルールの文だけでは止めきれないので、権限や hooks のような仕組みそのものを変えるときは、私の承認が要る側に入れてあります。
ルールを絞った理由
あとで Claude Code に7つのルールを説明させたとき、私は絞った理由をこう話しました。
モデルが進化してハーネスが足かせになっていそうだったから、ルールを絞った感じだね
ハーネスは、AIに作業させるときに周りに用意する決まりや仕組みのことです。共通ルール、確認の手順、自動の安全装置などが入ります。
AIが前より多くの作業を自分で進められるようになると、細かく確認させる決まりが、かえって作業を止める原因になります。だから、確認させる範囲を、本当に私が決めなければならないことだけに絞りました。その一方で、お金や公開のように取り返しがつきにくいものは、承認が要る側に残しています。
どう確かめたか
ルールが本当に変わったかは、共通ルールのファイルの変更履歴で確かめました。変更履歴は、git(ファイルの変更を記録する道具)に残っています。Claude Code に履歴を調べさせ、9月29日の指示を受けて、9月30日に「確認するもの」の書き方が上のとおり変わったことを確かめました。
確かめたのは、文がどう変わったかです。前は commit・push に明示の指示が要りました。後は、commit・push・依存追加・既存記事の修正(バックアップを取る)が、確認しないで進める側に入っています。
次に同じことを頼むなら
AIが確認で止まりすぎると感じたら、確認しなくてよいものを並べるより、承認が要るものを数を決めて並べるほうが、AIにとって判断しやすくなります。次のように頼むとよいと思います。
私の承認が本当に必要なこと以外は、確認せずに進めてほしい。
承認が必要なものを〇つまでに絞って、番号付きの一覧で共通ルールに書いて。
一覧に入らない操作の例も、いくつか書いておいて。
進めた内容は、あとで報告して。
迷う操作や取り消しが難しい操作は、承認が必要な側として扱って。
お金を使う操作は、この一覧とは別に、毎回私に確かめて。
〇には、自分が承認したい操作の数を入れます。最後の2行は、絞りすぎて大事な操作まで進めてしまわないための歯止めです。
まとめ
- 確認が多すぎると感じたら、「承認が要るもの」を数を決めて並べ、それ以外は進めて報告させる形に書き換えてもらう。
- 「迷う操作や取り消しが難しい操作は承認が要る側」と1文足して、一覧に無い操作の扱いも決めておく。
- 確認を減らしても、お金と安全装置の決まりは別に残す。ルールの文だけに頼らず、権限や hooks の仕組みを変えるときは自分が承認する。
止まる場面が残っていたら、そのたびに7つの一覧を見直します。
参考にした資料
- How Claude remembers your project(Claude Code Docs):CLAUDE.md の置き場所と、文脈として扱われること
- Configure permissions(Claude Code Docs):権限のルールと、確認の扱いを変えるモード
この記事は、筆者の開発記録をもとにAI(Claude)が下書きし、筆者が確認して公開しています。
